留置所や東京拘置所では官本(かんぼん)という図書館のような制度があります。 このページでは官本について説明します。
留置所の官本
留置所は各留置によってローカルルールがありますが、漫画や小説などを貸し出してくれる、という点ではどこも同じです。留置人が保釈や釈放などで出る際に、「寄付する」と言えば点検後官本に加わったりもします。
一度に貸し出される数や種類は留置によってまちまちですが、1日2~3冊を貸してくれるところが多いようです。小説が1日で読みきれず、次の日に他の人に借りられてしまった場合などは少し悔しい思いをします笑
東京拘置所の官本
東京拘置所は留置所とは規模が全然違うので(留置所は10~30人程度ですが、東京拘置所は1000人以上を収容する場所)本の数も桁違いです。が、全てが一箇所に集まっているわけではなく、フロアごとに300冊ほどが配られます。1フロアは個室の場合60部屋ほどあるので、60人で300冊を共有するイメージです。この300冊は3ヶ月に1度くらいの頻度で総取っ替えになり、リフレッシュされます。
1度に3冊までで、週2回借りられる
東京拘置所では火曜と金曜が官本の交換日となっているので週に6冊まで借りられる計算になります。大体90日(13週)で交換されると考えると、13週×6冊=78冊ほどが読めますから、300冊あればかなり好きな本を選ぶことができると言えます。
官本は順番に希望を聞かれていきますが、最後の方になると「貸し出し中です」の連発で希望のものを全然借りられなかったりすることも当然多くあります。
漫画4割、小説5割、麻薬に関する本が1割
漫画と小説はだいたい半分半分になっています。本当に色々な種類のものがありますが、歯抜けや貸し出し禁止(落書きが多すぎる)などもあり、全巻揃っている、ということはありません。
官本は落書きだらけ
官本への落書きは禁止されていますが、落書きはたくさんされています。東京拘置所の官本に多い落書きTOP3をご紹介します。
犯人が書いてある。
名探偵コナンの犯人の額には大体”犯人”という落書きがあります。犯人が分かりやすくていいですね。
麻は大麻に書き換えてある。
ドラッグで逮捕された人にとって麻の字はすぐに大麻を連想させるようです。麻は全て大麻に書き換えてありますし、「やめられない」というような表現があった場合は「クスリは」と追記されていることがほとんどです。
漫画の女性登場人物には全員乳首とアンダーヘアが書き加えられている。
女性が登場する漫画はすべからく乳首が書き加えられています。男子中学生より性に敏感です。みんな欲求不満なのかもしれません。
本の差し入れは小説や漫画よりもアレが嬉しい
というわけで、小説や漫画はみなさんが思っているよりも充実しており、差し入れがなくても毎日読むものはある程度あります。そのため、差し入れで嬉しい本は謎解きやエッチな本だったりします。
差し入れを検討している方は、是非下記喜ばれる差し入れ【書籍部門】も合わせて読んでみてください。
コメント