留置所や拘置所で面会をしている際に、留置所では後ろで、拘置所では隣で、刑務官がメモを取っています。
あのメモはどういった目的で、何に使うものなのでしょうか?面会で話した内容が裁判で不利に利用されたりすることはあるのでしょうか?
面会でのメモが裁判で使用されることは無い
刑務官がメモしているのは「どのような会話がなされたか」を記録するための事務的なものであり、『面会の内容に問題はありませんでした』ということを証明する実務的なものです。
面会にはいくつかのNG事項があります。例えば
「脱走の計画を立ててはならない」とか
「母国語以外の言語/暗号で会話してはならない」とか
「証拠隠滅を計ってはならない」など
こういった”NG事項に抵触していなかった、問題なく面会が行われた”ことを証明するためのものとしてメモが取られています。
”基本的には”面会でのメモに証拠能力は無い
面会時の記録は正当な捜査権限があるものではなく、このメモを証拠として使用することはできません。いわゆる違法捜査による証拠となってしまうからです。
ただし、検察側が本気でやろうと思えば全く使えないわけではありません。
面会での記録が即証拠にはなりませんが、この面会に立ち会った人物(警察官)を証人尋問に呼ぶことはできます。そして、
私は面会でこの人が普通に話しているのを聞きました
と証人として採用することはできますし、その証言を補強するものとしてその際のメモを証拠請求することも可能だからです。
裁判に使われなくてもチクリはあり得る
大前提として、留置所の刑務官と取り調べを行う刑事は全くの別部署であり、捜査の共有などは行われません。しかしもしあなたが刑務官だったとして、勾留されている容疑者が面会で堂々と次のような発言をしていたらこう思うのではないでしょうか?
バカ刑事は気付いてないけど、凶器は棚の中に隠してあるし
アリバイは嘘だよw
このままいけば無罪放免だぜw
(ええぇ…)
(こんな悪い奴放置していいわけがない)
(後で刑事に共有しよう)
(刑事誰か知らないけど)
当然、正義のために何かできることはないかと思うことでしょう。
その気持ちが担当刑事に面会の内容を極秘で密告する行為につながるかもしれません。
まとめ
留置所の面会での内容が即証拠になるわけではありませんが、全く証拠として使えないわけでもありません。
弁護士であれば刑務官の立ち会いがない面会ができますから、「ちょっとこの話は微妙だな」と思うものは弁護士に伝言を頼みましょう。
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