KAT-TUNの田口淳之介さんや伊勢谷友介さんが大麻(マリファナ)の所持で逮捕されるなど、芸能人のドラッグ事件が後を経ちません。
芸能人だと逮捕後も特別対応があったりするんでしょうか?ここでは一般人と芸能人での対応の違いを説明しながら大麻(マリファナ)で逮捕された後の流れを解説していきます。
どうして逮捕されるの?
そもそもドラッグで逮捕されるのはどういった場合が多いのでしょうか?この点も一般人と芸能人では大きく異なります。
職務質問
一般人で多いのは職務質問です。「俺よく職質されるんだよね〜(笑)」と言っている人がいますが、当然警察も逮捕の確率を上げるために見た目が怪しい人を職質しています。
職質をするのは基本見回り中の所轄の警官ですが、ドラッグ所持の現行犯逮捕は結構点数が高いので”お手柄”です。覚醒剤をやっている人は薬を抜くためによくサウナに行くので、サウナ周辺を中心に職質をしている警官もいます。
ちなみに、薬を決めている人はかなり高い確率で見れば分かるそうです。薬をやっている人は「大丈夫、バレない」と思っている人が多いですが、目の決まり方、周囲への敵意、そういったものは素人でも違和感を感じるものなので警察ならなおのことです。
芸能人は当然職務質問される機会が少ないですよね。
職質は任意とされていますが、怪しい行動をするとすぐ応援を呼ばれます。警察は職質で腕を掴んだり、体に触ることは禁止されていますので、速攻でタクシーに乗るのが唯一の逃げ方です。
売人⇄使用者の芋づる捜査
もう一つが売人(プッシャー)への捜査です。ドラッグをやっている人間が捕まるとどこで買ったかを必ず聞かれます。実はここで購入元を言っても言わなくても罪は変わらないのですが、警察は「そんな態度だと罪が重くなっても知らないよぉ」と言ってプレッシャーをかけ、販売元を聞き出します。
そして売人を逮捕し、その販売先を更に捜査するという流れです。いわゆる取り調べでは雑談も多く、何回も取り調べをしていると警察と友達感覚になっていく売人(プッシャー)もいます。
人の口に戸は立てられないですから、そこでチクリが入ってしまうことも多いようです。
刑事さん知ってる?アイドルの〇〇もオレのお客さんだったんだよ
芸能人の逮捕では空振りに終わるわけにはいきませんから、相当な事前の下準備をしています。直近の購入や使用は何度か泳がせて、確実に所持を抑えられる状況で逮捕に踏み出していると言えるでしょう。
売人が逮捕されると買った人間も全員逮捕されるのか?というと、実はそんなことはありません。ドラッグは所持、使用が起訴理由なので、「昔買ったことがある」くらいだと今逮捕しに行っても空振りに終わる可能性があり、わざわざ逮捕状を請求しません。ただし、毎月必ず買っている人など、現行犯逮捕の可能性が高い人は逮捕される可能性も上がります。
逮捕当日
逮捕されると手錠を付けられて所轄の警察へ連行されます。この時、芸能人は湾岸警察に連れていかれることが多くなっています。よく芸能人が謝罪をしている踊る大捜査線のあの警察署です。
これはなぜかというと、湾岸署はマスコミ対応に慣れており、撮影のためのカメラが並ぶ敷地の広さや近隣住民への迷惑のかかりにくさ(周囲に住宅地が無い)など、さまざまな面でマスコミ対応に適しているためです。
湾岸署は正式名を「湾岸分室」と言って、指揮系統としては本庁の管轄になるため、どこで逮捕されても湾岸署に収容することができるという点も便利なポイントです。
各種調べ
さて、逮捕後は指紋の採取、DNAの採取、靴底の採取、取り調べ調書の作成など、一般的な逮捕後の流れと同じですが、ドラッグ関連の場合はここに尿検査が加わります。
いわゆる尿検査で陽性反応が出る(ドラッグが抜けるまでの)日数は下記のようになっており、これが「使用」の証拠となります。
大麻:30日程度。他のドラッグに比べるとかなり長い特徴がある。
覚醒剤やその他ドラッグ:一週間程度(汗のかき方などで前後するため、覚醒剤使用者はサウナ好きが多い)
厳密に言うと、大麻(マリファナ)の”使用”は法律上無罪です。
これは医療用大麻が生産の過程でどうしても大麻使用陽性になる可能性があることや、受動喫煙による陽性と区別がつかないことが理由として挙げられます。
とはいえ芸能人は「大麻で逮捕、陽性反応」という時点で仮に起訴されなかったとしても芸能人人生は終わりと言えるかもしれません。
留置所
取り調べがひと段落すると、警察署内にある留置所へ連れていかれます。ジャージや歯ブラシなどが支給(一部購入)され、体重なども測られます。
留置所には独居(一人部屋)と雑居(2~5人部屋)がありますが、初日は独居にされることが多くなっています。まだその人の性格もわからないので、共同生活で問題を起こさないか見定める期間でもあります。
その後、普通は雑居に移されますが、芸能人は最後まで独居になることが多いそうです。
「最後まで」と書きましたが、この後書くように、芸能人は3日程度しか勾留されないことがほとんどだからです。
留置所初日、ここで一般人も芸能人も眠れない夜を過ごします。なお、お風呂は5日に一度、しかも朝ですので入れません。
弁護士
弁護士は優先して接見することができます。一般の方の場合、すぐに相談できる弁護士はあまりいないでしょうから、初日には弁護士が間に合わない場合もありますが、芸能人の場合は事務所などがすぐに弁護士を用意してくれるため初日に接見することがほとんどでしょう。
逮捕二日目
眠れない夜を過ごした後は刑務官(担当さん)に叩き起こされ朝を迎えます。
冷えたご飯の朝飯は喉を通りません。これから人生がどうなってしまうのか、仕事は、家族は、など色々なことが頭をよぎる人がほとんどでしょう。
検事調べ
取り調べには「警察、刑事による取り調べ@警察署」と「検事による取り調べ@検事局」の2つがあります。これは送検と呼ばれます。
聞かれることはあまり変わり映えしませんが、警察が調べて検事が確認する、といった流れになっています。
検事調べは必ず二日目、というわけではありませんが、警察には48時間以内に勾留するかしないかを決める義務があるので遅くとも2,3日目で検事調べを迎えます。
この日は朝からみんなでバスに乗り、霞ヶ関の地方検事局へ行きます。12人が座る3畳ほどの小さな部屋で待機させられ、検事に呼び出されるのを待ちます。芸能人と言ってもここでの特別対応はありません。
逮捕3日目
検事調べが終わると、検察によって「勾留するかしないか」の判断が下されます。
一般人の場合、ドラッグはほぼ確実に勾留になります。が、芸能人の場合は知名度があるため逃亡の恐れがない、として勾留されないケースが多くなっています。
裁判所へ勾留質問を受けに行く
検察によって勾留が希望された場合、裁判所に行き、勾留するかどうかを判断する勾留質問が裁判官によって行われます。これはかなり形式的なもので、基本的には検察の勾留判断が覆ることはありません。
検察が出すのはあくまで勾留”希望”であって
勾留するかどうかの決定権は裁判所にあるんやで
芸能人の場合はここで保釈申請が通り、保釈金を払って外に出ることができるわけです。(一般人はほぼ申請が通りません)
保釈金はいくらか
芸能人がドラッグで捕まった場合の保釈金は200~300万程度となっています。
売れっ子だとやはり保釈金も高額になるのかしら
いえ、保釈金と言うのは事件の性質にも連動するもので、ドラッグの場合はあまり資産状況を鑑みません。ですのでどんなに売れっ子の芸能人でもそこまで高額になることはありません。
そもそも保釈金は「保釈金を抑えておくことで逃亡の恐れを無くす」ことを目的としています。芸能人の場合は顔バレしていて逃亡の恐れが少ないと考えているわけですから、保釈金の金額はあまり問題とされないのです。
湾岸署での謝罪会見
芸能人が勾留されているのは湾岸署であることが多いため、湾岸署の前には多くのマスコミが詰めかけています。ここであの有名な謝罪会見が行われるわけです。
一般人の場合は保釈申請が通りませんので、ここから10日、20日、起訴されると数ヶ月と勾留が続きます。
なお、大麻・マリファナで逮捕された場合の起訴、判決は概ね以下のようになっています。
大麻 | 初犯の場合 |
使用 | 不起訴(=無罪) |
所持 | 有罪・執行猶予が付く |
販売 | 有罪・2〜3年実刑 |
輸入製造 | 有罪・ロング |
ドラッグは絶対にダメ!
コメント