留置所でタバコが吸えるかどうか、ご存知ですか?
なんとなく「タバコなんて吸えるわけがない」と思っている方が多いのではないでしょうか。
しかし、推定無罪という言葉もあるように留置所にいる人たちは逮捕されただけで罪人ではありません。
タバコを吸うのも権利の一つのように思えますが留置所の喫煙事情はどうなっているのでしょうか?
昔はタバコも喫煙可能だった
実は10年ほど前、2012年までは留置所でもタバコを吸うことが出来ました。部屋に窓や空気清浄機はないため、24時間吸えるわけではありませんが次のようなシーンで吸うことが出来ました。
朝の運動場
朝食が終わりしばらくすると朝の運動の時間になります。この際に運動場へ移動することが出来ますがそこで2本まで吸うことが出来ました。運動は10-15分程度ですので、ほぼチェーンスモーキングで2本を吸うことになります。全員24時間ぶりのタバコですから毎日朝のこの時間は格別だったそうです。
取り調べ
警察の取り調べの際にも吸うことが出来ました。ただ、これは自由に吸えるわけではなく、刑事さんの温情で吸わせてもらえることもあった、というのが正しい言い方になります。
今では考えづらいですが、昔はオフィスでも机でそのままタバコを吸える時代でした。警察署も取り調べ室でタバコを吸えたのです。
なぜ喫煙不可になったのか
まず大きな理由としてはそういう社会の流れや時代、と言えます。
刑事の中にも喫煙する人間は多く、禁煙への流れは警察としても全員が歓迎しているわけではありませんでした。タバコに対する風当たりは時代と共に厳しくなってきており、それは留置所においても仕方のないことだったのです。
加えて、取り調べ中のタバコが禁止されたのには、タバコを吸わせることを交換条件にして取り調べをする刑事が多くいたことが問題視されていた、という背景もありました。タバコは中毒です。そのため、「タバコを吸いたくてつい供述してしまった」という供述書が実際いくつも存在していました。ただしこれは不正な取り調べと言える面があり、弁護士に警察の捜査の問題点として突かれる部分でもあったのです。
今は完全禁煙
現在ではタバコは当然吸えません。
留置所ではタバコを吸いたいと毎日のように言っている喫煙者の方も多いですし、これを機にタバコをやめると考えている人も多いようです。
コメント