東京拘置所には部屋の中に虫が出ます。部屋によって虫が出る量は違いますが、ひどい部屋だと一日中虫と格闘していることもあるほど深刻です。また、宅下げされた服についていることもあり、中の人でなくても虫に気づいた方もいらっしゃるかもしれません。
東京拘置所と虫は切っても切れない関係にあります。あのてんとう虫みたいな虫は一体何者なのか、東京拘置所の虫について調べてみました。
あの虫の正体は『ヒメマルカツオブシムシ』
東京拘置所に出る虫は2種類あると思われていますが、実はどちらも同じ虫で、ヒメマルカツオブシムシという虫の成虫か幼虫かの違いになっています。
春先に見かける邪悪なてんとう虫のような虫はヒメマルカツオブシムシの成虫、秋を中心に見かける小さい芋虫はヒメマルカツオブシムシの幼虫です。
一言に虫と言っても、東京拘置所に収容されていた時期によって「あのてんとう虫みたいなやつだろ」という人もいれば「あのイモ虫だろ」という人もいます。それによってその人が収容されていた季節が少しわかったりします。
ヒメマルカツオブシムシの特徴
ヒメマルカツオブシムシは衣類を食べる害虫として有名ですが、衣類以外にもチョコレートなども食べる雑食です。
衣類を食べるのは幼虫の間だけですが、セミと一緒で1年のうちのほとんどを幼虫として暮らします。餌が得られない場合は、幼虫の期間を2~3年に伸ばすこともあります。幼虫の間は暗い場所を好むため、東京拘置所の畳の間にビシーっと並んでいることも多く、その様子は最悪です。
暗い場所を好むくせに壁を這って天井に行こうとします。また、衣装ケースやトイレの掃除用具の下に何十匹も集合していることがあります。最悪です。
東京拘置所では3,4月から成虫を見かけ始め、夏のはじめ頃まで成虫と格闘することになります。
ヒメマルカツオブシムシの防ぎ方
ヒメマルカツオブシムシはほぼ全ての部屋に出ますが、畳を差し替えた直後の部屋や、それまでの歴代の住人がキレイ好きだった場合は出没数がかなり少なくなります。逆に、”ハズレ部屋”に当たった場合は1日20~30匹平気で出ます。
「朝起きて最初にすることは壁を這って登っている虫を20匹以上駆逐することでした。」なんていう部屋も実際にあります。最悪です。
ヒメマルカツオブシムシを防ぐためにはとにかく部屋をキレイにするしかありませんが、畳の下に入り込んでいる場合、完全に防ぐことは不可能です。毎日キャリーケースをどかして掃き掃除をしましょう。
明治チョコレートに気をつけて
留置人の中にはMEIJIの板チョコを保存食として常備している人もいるかと思いますが、ヒメマルカツオブシムシはチョコレートも好物です。そして最悪なことにチョコレートの銀紙を食い破るくらいの力があります。
チョコレートを食べようと思ったら何故か板チョコが白くて(卵でいっぱいで)、モゾモゾ動いていた、なんていう話も実際にあります。板チョコは美味しいですがあまり長い期間部屋に置かないようにご注意ください。
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