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アングラ実話トリビアその他

【アングラ辞典】タタキや強盗の仕組み

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普段、東京拘置所や留置所、弁護士や裁判についての記事を中心にお届けしていますが、今回は一風変わって犯罪の裏事情「アングラで起きている犯罪の実態」を寄稿いただきましたので、そちらをお届けします。

記念すべき第一回は「強盗」および、それにまつわる中間業者についてのお話です。

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強盗のイメージと実際の違い

強盗というと、皆さんどんな事件をイメージされますか?

家に武器を持った男が押し入って、金品を盗み、もし家主と鉢合わせるなんてことがあったら縛り上げて・・・
こんなイメージを持っている方が多いのではないでしょうか。

しかし皆さんがイメージしているこれらのイメージはどちらかというと”空き巣”に近く、強盗はもっと計画性の高い犯罪だったりします。

※当然ですが、ここで紹介している犯罪が全てではありません。

資産家の家が襲われる事件

たまにニュースを見ていると、「〇〇県〇〇市の〇〇さんのお宅から現金3000万円が盗まれた」とか、「〇〇さん宅に強盗が押し入り、現金5000万円を持って逃走」などといった事件を見ますね。

しかしよく考えると、なぜそんなに多くの現金がその家にはあったのでしょう?

よそさまのおうちはたくさんお金を持っているものなのねぇ

こう考えている方も多いのではないでしょうか。

しかし実際には、強盗は適当に家を選んでいるわけではなく、事前に情報を仕入れて入る家を決めています。そして、この、現金を持っているという情報は、高値で売買されているのです。

とある強盗事件に登場する人物

ではここである強盗事件の関係者を一覧にしてみましょう。
きっと皆さんが想像しているより多くの関係者が登場しているはずです。

情報屋

世の中にお金持ちはたくさんいますが、「銀行口座にたくさんある」ではお金を盗ることができません。強盗や盗みに入るためには『現金で資産を持っている』という情報が貴重になります。

実際、高額な盗みは犯罪としての罪も重く、ある程度のお金が盗めないと犯罪者としては「割りに合わない犯罪」と言えます。

そのため情報屋は「〇〇さんの家には現金が6000万ある」などの”情報”を販売します。

なお、情報屋というとそれを専門に食っているようにも聞こえますが、たまたま上記の情報を仕入れたからその情報を売っただけという場合も多くあります。

陰の主犯

情報屋から情報を買った人物です。
主にはヤクザや半グレがこのポジションに立ちます。

悪い情報は悪い人たちに集まってくるものです。

コーディネーター

呼び名はさまざまですが、ここではコーディネーターという呼び方をしています。

実行犯を見つけて、依頼する担当者です。
ヤクザであることが多くなっています。

あまり重要でない中間業者に見えるかもしれませんが、実はこの人物が意外に重要な役割を果たしています。理由は後述していきます。

実行犯

実際に家に入り、お金を盗んでくる人物です。

海外の犯罪組織や、不良中学生、Twitterで募集されたバイトなど、要するに安く犯罪を実行する人たちになります。

それぞれの取り分

それでは次にそれぞれの取り分を見ていきましょう。
当然、交渉によって取り分は変わりますから、あくまで一例として見てください。

総額6000万円の強盗・盗難事件だったとして、それぞれの取り分を見てみます。

情報屋1000万
陰の主犯3000万
コーディネーター1500万
実行犯500万
被害者-6000万

どうでしょう?皆さんのイメージと大体あっていましたか?

実行犯って意外と取り分少ないのね

そうなんです。一番リスクを取っているように見える実行犯ですが、実は取り分は最も少なくなることが多くあります。
実行犯は先ほども書いた通り、中学生や裏バイトの集団であることが多く、裏の世界でも表の世界と同じように中間搾取が激しいのです。

コーディネーターは人探すだけでこんなにもらえるんだ

楽勝じゃん!

いいえ。コーディネーターが多くもらっているように見えるかもしれませんが、実はコーディネーターはこの組織の中で非常に大事な2つの役割を果たしており、もっと取り分が多くなることだってあります。

コーディネーターをヤクザがするには理由がある

中間業者にしか見えないコーディネーターですが、とても大事な2つの役割を果たしています。
皆さん2つの理由が分かりますか?

1つ目の理由

1つ目の理由は、実行犯に対する脅し、プレッシャー役です。
実行犯からすると、当然、盗んでいる最中にこう思います。

あれ…これ6000万持ってトンズラした方が良くね?

実行犯がお金を持って逃げてしまう可能性があるわけです。
ですからコーディネーターと実行犯の間には絶対に逆らえない上下関係が必要になります。

「あの人を裏切ったら殺される」こういう信頼関係がないといけないわけです。
だからこそ、コーディネーター役は誰でもいいわけではありません。
怖い人である必要があり、そうするとヤクザである確率が高くなるのです。

2つ目の理由

2つ目の理由は『口止め』。捕まった際に口を閉ざす役割を果たします。

実行犯が捕まった場合、高い確率でコーディネーターの存在が露呈します。
実行犯がチクる可能性もありますし、LINEの履歴などから判明することもあります。

当然、警察は主犯を捜すためコーディネーターにも主犯は誰かを尋問しますが、コーディネーターは”口を割りません”。自分が主犯として罪が重くなる可能性もありますが、コーディネーターが口を閉ざすことで陰の主犯は警察にバレることがないのです。

ヤクザの世界で”チンコロ”(仲間を売る行為)は最も恥ずかしい行為の一つとされており、そういう意味でもヤクザはこの業界においては信頼のおける相手と言えます。

こういった事情からコーディネーターは中間業者に見えますが比較的高い取り分をもらいます。

主犯はほぼリスク無し

ここまで読んで皆さんすでにお気づきでしょうか。
そうなんです、陰の主犯は「逮捕される可能性」も「お金がなくなる可能性」も、なんらリスクなくこの計画を進めていることが分かります。

だからこそ現金を持っているなどという情報は貴重で、そして危ないものです。

そこまでの現金を持っている人は当然多くないと思いますが、皆さん決して巻き込まれないように、自分の身は自分で守りましょう。

また、Twitterなどで #タタキ などで募集されている裏バイトは、最終的にこういった強盗にも繋がっていきます。決して応募してはいけません。

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