逮捕されると事件に関してメモや記録を取りたくなることがあります。
また、弁護士に「取り調べの内容についてメモを取れ」と言われる方もいると思います。
今回はこのメモを便箋に書くべきか、ノートに書くべきか、というちょっと細かいお話です。

どっちに書いても一緒だろ?
確かにどちらに書いても大きくは変わりません。
しかし裁判に向けてメモを膨大に書く人の場合は便箋に書くことをおすすめします。
そもそもなぜメモや日記などの記録を取るのか?
そもそもどうして便箋やノートにメモを取るのでしょうか?
本人が事件について整理したいから
ご本人が事件について整理したい、と思うのが最も多いケースだと思います。
特に詐欺事件や無罪を主張するような複雑な事件の場合、時系列での事象の整理や証拠品についてのチェックなど、多くのメモが必要になってくるでしょう。
日付感覚を失わせないため
本人がメモを取る気がなくても、弁護士からノートが差し入れられることもあります。
その理由の一つがいわゆる日記であり、これには日付感覚を失わせないようにする意図があります。
留置所生活が長くなると、単調な毎日が続きすぎて精神力が維持できなくなる方も多くいます。
また、「単に毎日暇すぎるから」という理由もあるようです。
不当な取り調べの証拠となる
3つ目の理由が警察による「不当な取り調べを防ぐため」のものです。
最近では暴力や脅しによる取り調べはほとんど無くなりましたが、「今日こんなひどいことをされた」「こんな脅しを言われた」などの毎日のメモは裁判の際に不当な捜査を証明する武器となる可能性があるためです。
ノートや便箋のメモは刑務官に見られるのか?
「ノートに書いたメモを見られてしまうのか」という問題は非常に気になる点だと思います。
結論から書くと、メモは全て見られるものだと思ってください。
留置所では月一程度で荷物検査があり、その際にノートも見られます。
と言っても内容のチェックというよりかは「破っていないか」「絵を描いていないか」などのチェックであるため、文章まできっちりとチェックする刑務官は珍しいと言えます。
弁護士から差し入れられるノートには「被疑者ノート」と呼ばれるものがあります。
(弁護士の判断であり、必ずしも全員に差し入れられるものではありません)
このノートは前述の不当捜査を防ぐ目的で主に使われ、この被疑者ノートは検査対処とならないものとされています。
メモはノートに取るべき?便箋に取るべき?
さて、タイトルにあるメモをどこに取るべきか、についてですが。
ノートは拘置所に移送された際に部屋に持ち込むことができません。
これはあまりインターネットなどを検索しても知られていない事実であり、多くの被告人があとになって驚くポイントでもあります。
留置所から拘置所に移送された際に、全ての荷物は再検査され、検査の後に部屋に持ち込むことができるようになります。便箋もチェックされた後に部屋に届けられますが、ノートは領置預かりになります。つまり部屋に持ち込めないのです。
裁判に向けての記録をノートに取り溜めて来た場合、見返すことができなくなってしまいます。
そのため「教えて!東京拘置所最新版」では便箋にメモを取ることをオススメしています。
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