「刑務所の中ではどんな生活をしているのか?」本記事では、日課やスケジュールではなく、規則や優遇区分(種・類)と、それによって“できること/できないこと”がどう変わるかに絞ってわかりやすく解説します。内容は実情に基づいており、刑務所ごとに運用差はあるものの、基本的な考え方は共通です。
まず知っておきたい「種(しゅ)と類(るい)」
刑務所では、受刑者の状態や待遇を示す「種」と「類」という考え方があります。入所直後の未種未類(設定前)を経て、全員が3種3類からスタート。ここから時間の経過や評価によって段階が上がると、許可される行動や購入できる物品などの幅が広がっていきます。
「種」とは(経過・状態による段階)
- 3種:刑務所に入って工場に配属された状態。ほとんどの受刑者がここから始まります。
- 2種:刑務所で数年が経過した状態、または仮釈放が検討される段階を指します。長期受刑者を除けば、多くは仮釈放半年前が目安。
2種で可能になること:「中髪刈り」(スポーツ刈り程度に髪を伸ばせる)、家族への電話が条件付きで許可(詳細は後述)。 - 1種:刑務所内のごく少数の模範的受刑者に与えられる段階。場合によっては刑務官の常時監視なしで単独移動が認められるなど、就寝時間の延長やテレビ視聴時間の拡大、より良い個室のベッドが割り当てられることもあります。
「類」とは(点数評価による優遇区分)
「類」は各刑務所の基準に沿って、生活態度・居室の整頓・資格取得などの評価点を積み上げて上がっていく優遇区分です。工場の担当者(いわゆる「工場のオヤジ」)が点数を付けることもあり、簿記などは比較的点数を取りやすいといわれます。反対に、懲罰があると減点され、4類・5類へ下がることも。
- 3類:入所から半年ほどで到達しやすい区分。「3類菓子」として月に1回お菓子が買えるようになります。
その他、手紙は月3通→4通へ、面会も月3回→4回へと枠が拡大。 - 2類:「2類菓子」の購入が可能になり、月2回はお菓子が食べられるように(3類菓子と合わせて)。手紙などの枠もさらに増えます。
- 1類:鏡や時計を居室に設置でき、「1類食料品」としてカップヌードルやドーナツなどの食料品が購入可能に。湯沸かし器も部屋に置かれるようになります。
Q&A:できること・できないこと

スマホは使える?
日本の刑務所でスマホは使用できません。入所時に所持していた場合は領置預かりとなり、出所時に返却されます。当然ながら長期間電源は切れたまま。出所直後は最寄りのコンビニ等で充電器を購入しないと、すぐには使えないことが多いです。
電話はできる?
2種以上になると、必要と判断された場合に限り家族への電話が許可されます。「必要性」のラインは刑務所によって異なりますが、例えば仮釈放後の生活相談といった理由は通りやすい傾向。通話は有料で、テレフォンカードのようなものを購入して、あらかじめ決められた時間に発信します。
髪型は坊主だけ?
2種以上になると「中髪刈り」が認められ、スポーツ刈り程度まで髪を伸ばせるようになります。多くの場合、仮釈放に向けた準備という位置付けです。
タバコは吸える?
刑務所内は喫煙不可です。過去には20年前の一部留置場で喫煙できた場所もあったようですが、刑務所では喫煙は禁止されています。詳しくは関連記事もご参照ください:刑務所でタバコは吸える?
お菓子は食べられる?
3類になると「3類菓子」として月1回、2類になると「2類菓子」と合わせて月2回、購入・飲食の機会が設けられます。
刑務所内で取れる資格(例)
取得できる資格は刑務所ごとに異なりますが、代表的な例として次のような分野があります。
- ITスキル・デザイン・CAD
- 電気工事技術者
- 農業
- 理容師
- ネイリスト(女性向け)
- 介護関連資格
- 調理師免許
- クリーニング・清掃
希望する資格が在所在の刑務所では実施されていない場合、申請にもとづく「刑務所の引っ越し」が認められ、資格取得後に元の刑務所へ戻るケースもあります。
ポイントまとめ(はじめての方向けに要点整理)
- 入所時は3種3類から開始(設定前は未種未類)。
- 「種」:経過や仮釈放の検討状況など時間・状態ベースの段階。
- 「類」:生活態度や資格などの点数評価による優遇区分。上がると手紙・面会・購入品が拡大。
- 2種で解禁が増える:中髪刈り、条件付き家族電話など。
- 1種はごく少数:単独移動の許可、テレビ視聴時間延長、良い個室ベッドなど。
- スマホ不可:領置預かり。出所時は充電器の準備を。
- 喫煙不可:刑務所内は禁煙。
- お菓子:3類で月1回、2類になると月2回。
- 資格:IT、電工、理容、介護、調理など多様。必要に応じて施設間の移動で取得することも。
よくある質問(FAQ)
Q. どのくらいで「3類」になれますか? A. 多くは入所から半年が目安です。以後、点数評価で「2類」「1類」を目指せます(懲罰があると降格も)。
Q. 家族に電話できる条件は? A. 2種以上かつ必要と判断された場合に限ります。仮釈放後の相談など、合理的な理由を添えると通りやすい傾向です。
Q. カップ麺やドーナツは誰でも買えますか? A. 1類に上がると「1類食料品」の対象として購入可能に。居室には湯沸かし器も設置されます。
Q. 髪型はいつから伸ばせますか? A. 2種になると「中髪刈り」が許可され、スポーツ刈り程度まで伸ばせます。
Q. 希望する資格がない場合は? A. 申請して対応する資格を実施している刑務所へ一時的に移り、取得後に元の刑務所へ戻るケースがあります。




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