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中の人体験談留置所について

家族や友人が逮捕されたら、その後の流れは?

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友人やご家族が逮捕された場合、その後どうなってしまうのか大変不安だと思います。また日本では「逮捕=有罪」というイメージが強く、実際に逮捕されたうち起訴されるのは50%と半分程度にも関わらず、逮捕された時点で犯罪者扱いされてしまうものです。

逮捕されるとその後どういった取り調べや扱いを受けて、どのような手順で進んでいくのか、いつ出られるのか、など逮捕からその後の進行について時系列で解説していきます。

逮捕された理由や事件の内容によって勾留期間は大きく変わります。

逮捕時

逮捕の場所

痴漢や喧嘩、職務質問からの現行犯逮捕を除くと、その他の犯罪は事前に警察が事件を調べ、裁判所に逮捕状を請求して裁判所から逮捕の許可を得て逮捕に動きます。ですので屋外や路上といった不安定な場所ではなく家や職場での逮捕もよくあります。

麻薬の売人の場合は麻薬をトイレに流して証拠隠滅をする可能性があるためちょっとした外出中などに逮捕するなど警察側も臨機応変です。

逮捕の時間

現行犯逮捕以外だと、犯人が逃げる危険性が少ないように逮捕は早朝であることが比較的多くなっています。

逮捕の状況

オレオレ詐欺の巣への突入などでも無い限り、一般人への逮捕はドアを蹴破って入るのではなく普通にピンポンを押して「警察です」と説明をします。もちろんその間に裏から逃げられないよう逮捕時は複数の警官でやってきます。

玄関で逮捕状を見せ、家に入って証拠品などを押収します。裁判所の許可を得ているので強制力があり、時間を稼ぐことはできますが断ることはできません。事件の性質にもよりますが、通常は携帯やパソコンなどが押収されます。その際にパスワードなどを聞かれますが、断ることができます。断ると「そんな態度でいいの?後で不利になるよ」などと脅してきますが、嘘です。この対応が後で不利になることはありません。

パスワードを教えなかった場合、iPhoneのロック解除はAPPLE社🍎が協力しないため解除できません。Androidは警察側で解除できます。

また、警察は飛行機モード(オフライン)でデバイスを押収をするので、オンラインに入っているデータは確認ができません。逆に言うとオンラインでデータを削除しても押収されたデバイスはオフラインなので反映されません

逮捕時には通常ボックスカーが待機しています。手錠をかけられるのは家から出る前が多いですが、車に乗った後になることもあります。なお、下手に暴れたりなどなくスムーズに逮捕された場合は、下着や現金など、勾留に必要なものを一緒に持っていくように指示されることもあります。

逮捕後 当日

指紋やDNAの採取

顔写真の撮影、指紋の採取、靴の底(靴跡)の採取、唾液(DNA)の採取が行われます。指紋は全ての指はもちろんのことながら、手刀の部分や手のひらまで完全にデータを取られます。

警察署内をうろちょろすることになりますが、常に手錠及びロープで拘束されており、移動時には2名以上の警官が立ち会います。

DNAの採取は本当は拒否することが可能です。
あまりにスムーズに一連の作業としてやってくるので拒否できないように思えますがDNAは指紋とは異なり、採取を拒否する権利があります。※事件の特徴的にDNAが証拠となる場合は別

取り調べ

逮捕が夜遅くではない場合、その後昼間の間は取り調べが行われます。取り調べはドラマだとマジックミラー越しに色々な刑事が見ているイメージですが、実際には普通の小部屋であることが多いです。

そこにパソコン、プリンターがあり調書を作成します。「調書」とは取り調べの内容をまとめたもので、これにサインをすると裁判で証拠能力を持ちます。よくドラマなどで「自白を強要された」などとして供述調書が問題視されることがありますが、一度サインをした供述調書を否定することはかなり難しく、そのため警察は供述調書を取りたがります。

黙秘した場合も「黙秘しました」という調書を警察は取りたがります。「私が聞かなかったのではなく、この人が話さなかったんです」という記録を残したいからです。この「黙秘した」の調書にサインをすること自体を拒否することもできますが、特に意味はありません。

取り調べは午前と午後で、基本的には9時〜12時、13時〜16時の間に行われます。留置所内での食事の時間が決まっているためそれを邪魔しないようにするためです。

取り調べ室でご飯を食べる場合は留置所のご飯が提供されます(その後の留置所行きが確定している場合)ので、「カツ丼食うか」というのは今ではドラマの世界の話になっています。

警察署内の留置所へ

初めて留置所に泊まることになるので、体重測定、荷物預かり品の確認、留置所内のルール説明、ジャージの支給、生活品(歯ブラシなど)の購入などを行います。

留置所の刑務官は『担当さん』と呼ぶように指示されます。過去に刑務所経験がある場合などは癖で「オヤジ」を呼ぶ人もいますが、それは刑務所での呼称であり、留置所では「担当さん」が基本です。

留置所内がよほど混み合ってさえいなければ初日は独居(個室)にされることが多くなっています。その人がどんな性格の人なのか、雑居になった場合に同室の人間と仲良くやっていけるのかなど様子を担当さんが見るためです。

弁護士接見

ほとんどの人は顧問弁護士などいないでしょうから、弁護士は逮捕後に探すことになります。

資産が50万以下を証明できる場合は『国選弁護人』に無料で依頼することができます。
資産が50万以上の場合は『私選弁護人』を自費で雇うことになります。

弁護士は家族などに探してもらうことももちろんできますが、弁護士協会が当番制で来るので家族がいない場合も誰かしらは来てくれます。その際弁護士が気に入らなければ拒否して別の弁護士を選ぶことも可能です。

国選弁護人は国選の仕事ばかりやるわけではない。
普段私選弁護人をやっている弁護士先生が当番の兼ね合いで国選弁護人をやることもあります。「タダってことはダメな弁護士なんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、国選の中にも当たり外れがありますし、私選でも全然ハズレの弁護士はいます。

弁護士のフットワークが軽ければ、逮捕当日に最初の弁護士接見をすることができるでしょう。弁護士接見は何時でも可能です。夜中でも可能ですのでまずは早めに弁護士に会って安心したいところです。

逮捕2日目以降

6時半に起床し、その後歯磨き、朝ごはん、運動などが続きます。
毎日ではありませんが5日に1回お風呂、部屋の掃除などもあります。

逮捕直後は基本的に取り調べが続きますが、それでも1日4時間もやればかなり長い方です。その他の時間は何もやることはないので、本を読んだり手紙を書いたりして過ごします。

逮捕後48時間以内に勾留決定

警察は逮捕後48時間以内にその人を勾留するかどうか決めなければなりません。が、よほどの軽犯罪でもない限り、逮捕した時点で勾留するつもりでいます

ですので勾留は既定路線、当たり前のことです。実際に48時間で出るのは喧嘩や万引き、酔っ払いなどかなりの軽犯罪だけです。逆に言うと、たかだか路上の喧嘩で勾留が決まるとその後勾留が一気に長引くので面倒なことになります。

地検へ送検

地検とは「地方検察庁」のことで、検察官に取り調べを受けるためにわざわざ地方検察庁に行くことを送検と呼びます。被疑者が行かず、書類だけが検事に送られる場合は”書類送検”となります。
よくニュースなどで「送検された」という言葉を聞きますが、別に大ごとではなく、「逮捕・取り調べ・送検」はほぼセットですから逮捕された以上は何も驚くことではありません。取り調べと送検に分かれていて分かりづらいので用語から説明していきます。

取り調べ

警察による調べのこと。検事によって行われるものは「検事調べ(≒送検)」と呼びます。
検事に取り調べをしてもらうためにわざわざ地検まで行って8時間ほど待ちます。団体バス移動のため、終わったら帰るというわけにいかないためです。ですので留置人は基本的に地検の日を嫌がります。

検察官

まず「警察」が取り調べや裏取りを行い、ある程度証拠や資料が集まるとそれを「検察官」に送ります。「検察官」は厳密には「警察」の上司ではありませんが、司法資格を持っている検察官に警察は頭が上がりません

イメージとしては「部下である警察が調べたものを、上司である検事が確認するための取り調べが「地検」です。そのため地検は週に1、2度ほどです。当然事件が複雑だったり大きいと回数は増えていきます。

黙秘していても地検はある。
事件に関して黙秘している場合、地検に行っても意味がないように思えますが、それでも検事による取り調べは行われます。起訴/不起訴を決める前に会わないわけにもいかない、というお役所事情です。

勾留決定

逮捕後48時間以内に検察官が勾留を決定すると、裁判官との面談があり、裁判官が勾留するかどうかを判断します。が、ここで裁判官に何を言っても無駄で、検察官が勾留と言ったら勾留です

よほど高齢で弁護士から勾留に異議が出ていたり、有名人で逃げる可能性が極めて低い場合などを除き、ここでの勾留決定が裁判官によって覆ることはほぼありません。出来レースだと思ってください。

勾留が決まるとまず10日間の勾留が決定し、その後10日間の延長(=20日間勾留)とするかどうかの判断を待つことになります。が、勾留が決まったら基本的には20日勾留されるものだと考えたほうが良いです。10日で勾留が解けるのはかなりレアケースです。

どういう時に10日間で勾留が解けるのか:例
10日以内に被害者に示談金を払い示談が完了した場合などで、正直かなりレアケースと言えます。

10日延長

10日勾留中に再度、取り調べ・地検が行われ、もう10日間交流を延長するかが決められます。

残念ですがほぼほぼ10日延長されるものと考えてください。また、勾留の10日延長を検察官が決めた場合、再度裁判官と面談することになりますが、ここでも勾留決定が覆ることはありません。出来レースだと思ってください。

20日勾留後

20日間の勾留中に検察が起訴するかどうかを決定します。

「起訴」の他に「嫌疑不十分」「起訴猶予」などで不起訴となることもあります。
いくつか例を見てみましょう。

嫌疑不十分の例

麻薬の売人の疑いで逮捕したが、尿から麻薬の成分が出ることはなく、家宅捜索しても麻薬が検出されなかった。販売に使われたとされる計量カップや住所録などはあったが麻薬の売買を証明するものではなく嫌疑不十分として不起訴。

起訴猶予

詐欺の協力者として逮捕したが、当人は上司の命令に従っていただけで利益を得ていないことが判明。捜査にも協力的でニュースで実名が公表されたこともあり、起訴するまでではないとして起訴猶予として不起訴。

不起訴の場合は釈放されることになりますが、起訴の場合は勾留が続きます。そして、起訴が決まった後の勾留には期限がありません。理論上は1年でも2年でも勾留される可能性が出てきます。

起訴後

事件が複数ある場合は、起訴後も「再逮捕」が続きます。この度に20日の勾留や地検調べが続きます。

逮捕が全て終わった場合はあとは裁判を待つだけです。裁判を待つ状態になると拘置所に移送されます。この頃には取り調べも地検のないので、毎日本を読むか手紙を書くか、くらいしかやることが本当にありません。

起訴後は保釈申請のタイミングでもあるので、拘置所に行かずに保釈が許可される可能性もあります。

逮捕後の大まかな流れを解説してきました。当然事件の性質によって勾留の期間は大きく変わります。まずは弁護士に聞いてみましょう。

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